先日、Facebookの投稿欄に寄せていただいたコメントに対し書いたお返事が、
とても反響が大きかったので、
ブログにも転記したいと思います。
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投稿欄に寄せていただたいコメント・・・
「(奥様が)定期的に検診を受けていたのに、その翌週に脳梗塞を発症し、
後遺症もなく体は無事だったが
検診をしてくれていた医師を恨むようになってしまった…」
命が危険を感じた時、本能とでも言うのでしょうか、
強い恐怖とネガティブなエネルギーが心に生まれて、その矛先を他者に向けてしまう。。。
そんな奥様の気持ち、理解できる気がします。
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私は29歳の時、「子宮肉腫」という病気を患いました。
この病気は、発症率が10万人に0.19人というとても珍しい悪性腫瘍で、
希少なため婦人科の医師でも臨床経験を持っておらず、診断の難しい病気です。
(私が発症した18年前は、今以上に認知度も低く…)
29歳の時、何気なく受けた婦人科の検診で
児頭大の腫瘍が子宮に見つかり、
それが「子宮肉腫」だったのですが、
この時、誤診により良性の「子宮筋腫」と診断されました。
“子宮筋腫”の手術が終わり、すぐ翌月から不妊治療としてホルモン治療も始まりました。
しかし懐妊しないどころか、何か執刀した医師の態度がおかしい。。。
そして1年半が経った頃、他院で診察を受けた際に、
再び子宮に15〜16cmの巨大腫瘍があることを告げられ誤診が発覚しました。
子宮肉腫は、腫瘍が子宮に限局されるⅠ期で発見されても5年生存率が51%、
腫瘍が子宮外に出て骨盤内に広がったⅡ期以上では生存率が13%以下という
非常に生存率の低い難病です。
(Merk&Co.,Inc.,Kenilworth,N.J.,U.S.Aサイトより)
後から分かったことは、
・手術してすぐ翌月の診察で、既に腫瘍が再発し、一月ごとに2cm、4cm…と増大し、数も増えていることがエコーで分かっていたにも関わらず、医師が誤診隠しにより、私に再発を告げなかったということ。
・ホルモン治療により、ホルモン由来で増大する肉腫を育ててしまっていたこと。
・3回目の手術では、腹腔内に粟粒大の肉腫が複数散らばり、大腸の粘膜にも転移が及び、余命告知を受けるまでの事態に陥ったということ。
こうした事実に直面した時、やはり心には誤診隠しをした医師に対する、
言いようもない怒りが込み上げてきました。
でも幸か不幸か、私にはそこに固執し立ち止まっている時間の余裕がありませんでした。
何とかしなければ自分は死ぬ────
これからの手術や治療に当たってくれる、
信頼できる医師を急いで決めなくてはいけない。
今から誤診した医師が土下座して謝ってくれたとしても、死ぬのは自分だ。
自分の人生の主人公は自分で、誰も身代わりにはなってくれない。
自分の人生に起こってくる出来事は、全て自分で引き受けていかなければならないのだから、
自分の人生に起こった出来事は全て、
自分の選択によるものだと腹を括るしかない。
自分の不運や不幸を誰かや何かのせいにしていれば、
誰かや何かに運命を変えられてしまう人間として受け身の人生を生きていくことになる。
しかし全ては自分の選択の結果だと腹を据えれば、
これからの人生や運命は自分で決められるものになる。
自分の人生は、自分自身の選択と行動により切り拓いていける。
そう立心し、心を切り替え、
余命と向き合う日々を、1分1秒を味わい尽くすかのように生き抜いてきました。
その命の時間が、
1分が1時間に、1時間が1週間に、
1週間が1ヶ月、1年、10年、、、
と積み重なり、
今は最後の手術から15年生かさせていただいています。
今では誤診隠しをした医師にも、
子宮温存を切望していた私の意思を汲んで
懸命に手術をしてくださったことに、
心から感謝しています。
ミスはミスとして追及した方が良い、
そういう考え方もあると思います。
ただ私は、誰かを恨んだり誰かのせいにして生きるよりも、
命あるこの時間を、感謝や喜びで満たした生き方をしたい。
命があるのは当たり前じゃない、
せっかく今与えられている命を喜びの中で生きていきたい。
そう思うのです。
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脳梗塞を発症しつつも後遺症なく無事だった奥様が、
その奇跡のありように気付かれることを願っています